コラム

[2013/08/05] 第61回 乗馬

-友人(馬)へ抱く期待と思い-
乗馬に興味を持ったのは、8年ほど前にさかのぼる。
馬場の土、草や動物(馬)の匂いが入り混じる。
そんな自然と同調することが、ある種の懐かしさを去来させる。
穏やかで素直な気持ちになれる、そんな期待を抱かせた。

ある日、LINEの着信通知が表示され、友人からのメッセージが届いた。
「乗馬体験に行きたいって思ってて。よかったら一緒に行きませんか?行きたいって話してましたよね。」
このあいだ会った時には何も言ってなかったのに、そんなことを考えながら行くよと返事をした。
8年前のことを覚えていてくれて、実は最初から僕の分も予約していたらしい。
きっと行くはずだから、返事は聞くまでもなかったってことだった。

-純粋な気持ちで向き合える時間-
日常の喧騒(けんそう)から離れて、友人(馬)との許された時間の触れ合いを楽しむ。
馬は、とても臆病な、わずかな気配にも敏感に反応する繊細な動物。
そんな性格が、自分の性格と共振する。

共通の言語も共通の利害もなく、純粋な気持ちで向きあってくれる友人(馬)。
その友人(馬)は、こんな自分を受け入れてくれるのだろうか。
相手やその人との居心地は、最小の「コミュニケーション」で充足されるはず。
そんなピュアな付き合い方を、いつも求め続けている。

-本当の自分が求める付き合い方-
仕事では、仕事という共通の利害があって、お互いが同じ方向を向きやすい。
そんなことから、その人とは理解しあっていると錯覚することがある。
助けてもらったり助けてあげたり、それは仕事のため、それとも本当にその人のためなのか。
傷をなめあうだけのつながりに、嫌気がさすこともある。

本当の自分、自分の心をノックする。
プライベートでは、そんな時間を大切にしている。<s.o>


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