事業推進支援ソリューション

事業推進支援ソリューション

お客さまの現場の問題点や改善点を分析およびご提示し、事業の推進をご支援させていただきます。

業務現場の問題点や改善点の分析、施策や全体構想(グランドデザイン)のご提案などご依頼内容は多様ですが、その中でも多くのご依頼やお問い合わせをいただくのが、システム開発のプロジェクト運営(管理)におけるPM(プロジェクトマネジメン ト)支援作業です。

ここでは、代表的なご依頼事項でもある「プロジェクト運営におけるPM支援作業」をご紹介いたします。

PM支援作業の依頼事項

ご依頼の際にご提示いただくのは、一般的には以下の2点です。

PM支援作業の依頼事項

プロジェクト組織(統括責任者、PM、共通チーム、インフラチームなど)の役割を明確にはせず、感覚的に配置する傾向にあります。
このことから、プロジェクト組織の各チームは、本来は何をどこまですべき人たちであるかが不明瞭です。

PM支援作業の課題

PM支援作業に対してどのようなことが求められているのか、遂行し履行すべき内容と留意する点を整理すると、本作業に隠れている課題を抽出することができます。

PM支援作業とはプロジェクトを主体的に運営するお客さま組織に対して、ビジネスパートナーの立場であり助言者の立場(アドバイザー)で補佐(サポート)することであると考えます。

 ・PM支援作業 ⇒ ①アドバイザー(≠評論家) + ②実作業の補佐(サポート)

※作業範囲は意思決定ならびに要員(人)や費用(金)に係る以外が対象範囲であり、あくまでも原則的には管理権限は委譲しない

内在する課題

プロジェクト運営(管理)の考え方

(1)プロジェクト運営(管理)の視点(QCDE)

管理の目的を理解して、管理対象と管理基準を明確にすることを疎かにせず、適正に管理することが重要となります。
一般的には、管理基準が曖昧な状態で、感覚的に作業を進めるケースを散見します。

管理対象と管理課題

※管理対象と管理基準は、システム開発におけるPMの視点として留意すべき点です

■管理対象と管理基準を明確にして正しく管理する(目的の逸脱や管理基準以外の作業は無駄を生む)
⇒ 基準が無いと考え方がブレる(考え方が人、環境や状況に依存する)
⇒ 基準が無いとどこまで何をして良いかがわからない(経験的かつ感覚的な指標を導く)


(2)プロジェクト推進上のサイクル(PDCA)

プロジェクト推進上の活動サイクルの遂行には、「あらかじめ決めたことを守る=計画通りに履行する」ことがとても重要となります。

図中の不等号は、各サイクルの時間の使い方の関係を示す(上段:本来の時間の関係、下段:現状の時間の関係)
PDCAサイクル

作業を可能な限りに細分化して可視化(共有化)することで、後工程に受け渡せるように工夫することが重要であり、作業計画の各項目を細分化できないまたは粗いほど、管理対象と管理基準に対して曖昧な状態であると考えられます。

これらを解決するには、各工程の成果物(アウトプット)の完了基準を明確にすることが重要です。
本工程の成果物は、前工程の成果物をインプットに後工程へ受け渡すアウトプットとして作成しますので、本工程で明確にしなければならない内容(完了基準)を成果物の書式に定義し規定することで、作業に対する成果の曖昧さを抑制できます。

発生する主要な課題

プロジェクト運営(=組織運営)において、前述の「プロジェクト運営(管理)の考え方」から発生する課題を抽出します。

分類はプロジェクト運営の視点(QCDE)を示す
課題タイトル 内容 分類
1 機能要件が粗い状態でシステム化要件を仕様化する傾向にある プログラム単位の調査・分析から、システム化要件を直接的に仕様化する傾向にあり、機能要件(機能単位)を正確に仕様化することが疎かになり、経験者や有識者による属人化が進んでいることから、業務仕様考慮不足を誘発しやすい (Q)
2 作業工数を要員数と稼働率で把握する傾向にある 規模に対する作業量を、投入する要員数と稼働率で感覚的に把握する傾向にあり、あらかじめ予定した計画(標準作業工数の見積もり)と比較した、作業効率や生産性を評価する土壌が醸成されていない (C)
3 作業計画を粗い状態で作業を着手する傾向にある WBSは作成するが、あらかじめ作業項目、作業手順、成果物を詳細なレベルに落とし込むことはせずに、作業を進める過程で具体化したり精度を高める傾向にあり、見直しややり直しが横行し作業量が増減する (D)
4 業務要件のシステム化の検証が最終工程になる傾向にある 前述の1から、業務要件のシステム化の検証が最終工程(テスト)になる傾向にあり、リカバリー作業の範囲が広くなる ⇒ 従来の小規模な開発件名やメンテナンス作業の場合は小回りが利くため、リカバリー作業の範囲は局所的になりやすいことが錯覚を誘発している (D)
5 組織的なサポートやフォロー体制の整備が疎かになる傾向にある 作業を担当者またはビジネスパートナーに一括して依頼する(任せる)ことが多く、それに対する組織的なサポートやフォロー体制の整備が疎かになる傾向にあり、作業状況(途中経過や作業の精度)の把握や問題の顕在化を遅延させる (E)
問題を整理する

プロジェクト運営(=組織運営)において、どのような問題が発生しているか、問題はどこに内在しているのかを分析(課題分析)し整理することが重要であり、役割と完了基準がいかに不明瞭であり疎かにしているかを理解できます。