コラム

[2009/08/10] 第13回 生態系の崩壊に関して思うこと

7月某日、外来種であるマングースを捕獲したという記事が新聞に載っていました。このような報道はときどき耳に入ってきます。“皇居のお堀で外来魚「ガー」捕獲”、“滋賀の湖で肉食魚「アリゲーターガー」捕獲”、“兵庫・明石の公園でカミツキガメ捕獲”等々。その度、人間がペット用として日本に持ち込んで何らかのルートで手に入れた飼い主が無責任に捨てたのだろうと憤りを感じます。捨てられた外来種の生き物にしてみれば、慣れない環境下でなんとか生きようと在来種の生き物を食べます。そうなると以前からそこに住んでいた在来種の中には絶滅に至る生き物も出てくるかもしれません。もし絶滅に至る生き物が出てきても、それは外来種の生き物が悪いわけではなく、飼えなくなって捨ててしまった心ない人間が悪いのです。外来種と在来種の生き物はどちらも被害者なのです。

他に生態系を壊す要因として森林伐採が考えられます。森林を切りひらき、農地や住宅にかえて道路をつくりダムをつくる。これによって木々に依存していた動物や昆虫たちは住処を追われます。動物たちはこのような山では生活ができなくなり、エサをもとめて人里まで下りてくるようになります。町にイノシシが出没したり、クマが人間の生活圏に入り込んだりしているニュースは珍しくありません。

日本は自国の森林伐採を抑え、他国から多くの木材を輸入しています。他国の木材のほうが安価だからです。他国では木材を日本に輸出するために森林伐採を行っているのです。日本は木材を消費し過ぎだと各国から非難されなければよいのですが…。もしかするとすでに非難されているのかもしれません。

私が生まれ育ったところは山に囲まれた片田舎です。小中学生の頃よく野球をやって遊んでいた企業所有のグランドが国道近くにあるのですが、その付近に熊が出没したと地元の友人から聞きました。田舎とはいえ、車の交通量もそれなりにある場所でビックリしました。
また数年前に帰省した際、小学生のときによく遊んだ沼の近くへ散歩に出かけたのですが、近くにダムが作られていてその影響からかその沼は埋められて無くなっていました。そこにはアブラハヤがいて、よく釣って遊んでいました。嬉しくないことにシマヘビと遭遇したりもしました。沼から山の中へ入って行くとキジやヤマドリ、リスを目撃したり。別の山へ行くとイモリやイワナが泳いでいたり、いろいろな生き物を見ることができました。

理由はどうあれ、生態系を、環境を壊しているのは我々人間です。個人レベルで出来ることは小さなことかもしれませんが、何もしないよりも何か行動を起こすことが大切だと思います。
私は外来種をペットとして飼ったことはありませんが、ペットショップなどでペットを購入した方々にお願いしたいのは、当たり前のことですが、最後まで責任を持って飼ってほしいということです。これを実践すれば少なからず在来種の保護に繋がります。
森林は植樹してから元の森林に戻すまでに何十年もかかります。必要最小限の木材だけを供給するようになれば、森林伐採をなくすことはできなくとも森林伐採のスピードを遅らせることはできるはずです。さしあたり思いつくのは以下の2つだけですが、実践しようと思います。
  ◇使い捨てのわり箸をやめて自分の箸を持ち歩く
  ◇紙のリサイクル(古紙回収)                      <Mr.K>


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