コラム

[2009/07/06] 第12回 世界人口の話

先日、麻生太郎首相が西暦2020年までに日本の温室効果ガスの排出量を西暦2005年比で15%削減する中期目標を決定しました。第2回のコラムでも取り上げられていましたが、今地球の温暖化について全世界で関心が高まっています。地球の温暖化は温室効果ガスの排出が原因とされており、世界人口の増加はエネルギー消費の増加に直結し、それは温室効果ガス排出の増加原因の1つにもなっていきます。今回のコラムはこの世界人口について書きたいと思います。

私が世界人口について興味を持ったのは、最近のニュース番組で世界人口が67億人に達していることを知ったことからでした。私が小学校高学年の時、はじめて世界人口を習った際の数は54億人だったと記憶しています。それから20年で10億人以上もの人が増えていることに驚きました。詳しく調べてみると、アメリカで経済や人口について様々な統計を取る役を担っている機関であるアメリカ合衆国国勢調査局の世界人口推定値では、西暦1990年が52億8,237万人、西暦2008年が67億699万人となっていました。私の記憶違いではなく、確かに世界人口は約20年で10億人以上も増加しています。

調べていく中で興味深かった点が2つありました。1つは世界人口を把握することが非常に難しいということです。国連で人口に関する統計を取る機関である国連経済社会局、アメリカの非営利機関人口統計研究所など、人口に関する統計を発表している機関は数多くあるのですが、それぞれのデータは数百万人から1億人弱の違いがあります。21世紀となった今日でさえ、世界人口に関する確実なデータは存在せず、研究者の推算によって世界人口が発表されているのが現状です。その事実を踏まえた上で、もう1つの興味深かった点が、西暦2050年頃には世界人口が100億人に達するということです。予測値ということもあり機関によって数年単位での違いがありますが、私がはじめて世界人口を習った際の数の2倍にあと40年程度で達してしまうことになります。これまでの20年で世界人口が10億人以上増加したことでも驚きなのに、将来はそれ以上の速度で世界人口は増加するのですから、さらに驚いてしまいます。

冒頭で、具体的な数値目標を定めて温室効果ガスを削減することが政府の方針として決定したことを書きました。私はこのことを知ったとき「何故そこまで厳しい目標を国として設定しなければならないのか」と疑問に思っていました。しかし今回、増え続ける世界人口のことを調べてみたことで、人口が増えると消費エネルギーが増え、温室効果ガスの排出も増えるという単純なことからも、何も対策をとらなければ大変なことになるのだろうと容易に想像ができました。国としての削減目標は、国内産業との兼ね合いや国家間の政治的関係などから異論や反論もあるとは思いますが、少なくとも私個人のレベルでは、省エネルギーの生活をできる限り意識していかなければならないと思いました。 <角>


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